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蜘蛛くも

 主人公のクモ平八郎は、友人からこう聞いた。
「人間の家の中には食べ物がたくさんあって、一度入れば食べ物に困ることはない。現に人間の家に入り込んだ者たちは、食べ物にありつけたと見えて、もう出ようとしない」

 クモ平八郎はさっそく人間の家に侵入した。しかし食べ物は冷蔵庫や食器棚の中に入っており、探し当てることはなかった。しばらく捜しまわると、玄関まで見失って帰れなくなった。

 一カ月が経った。
 もうだめだった。クモ平八郎は、友人を恨みながら、干からびて、死んだ。

 人間がクモを踏んだ。足元に顔を寄せる。
「なんだ、クモの死骸か」
 クモ平八郎は、ちりとりではき取られ、ごみ箱へ捨てられた。

ワイヤー・パンサー 作
2006/12/20

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